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最高裁判所第一小法廷 昭和57年(オ)453号 判決 1983年1月20日

上告人

大阪市職員労働組合

右代表者理事

鈴木美雅

右訴訟代理人弁護士

岡田義雄

被上告人

永井守彦

右訴訟代理人弁護士

小林保夫

細見茂

斎藤浩

伊賀興一

右当事者間の大阪高等裁判所昭和五五年(ネ)第一一七〇号組合員権利停止処分無効確認請求事件について、同裁判所が昭和五七年二月五日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人岡田義雄の上告理由について

所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし是認することができ、その過程に所論の違法はない。そして、右認定の事実関係のもとにおいては、上告人の被上告人に対する本件処分が上告人の有する統制権の行使として許容される範囲を超え違法であるとした原審の判断は、当裁判所の判例(最高裁昭和三八年(あ)第九七四号同四三年一二月四日大法廷判決・刑集二二巻一三号一四二五頁、同昭和四八年(オ)第四九九号同五〇年一一月二八日第三小法廷判決・民集二九巻一〇号一六九八頁)の趣旨に徴して正当として是認することができる。論旨は、違憲をいう点を含め、ひっきょう、独自の見解に立って原審の法令の解釈適用の不当をいうか、又は原審の専権に属する証拠申出の採否、証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 団藤重光 裁判官 藤崎萬里 裁判官 中村治朗 裁判官 谷口正孝 裁判官 和田誠一)

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